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【脳内創作】ローナ~銀陽の少女~ 第二十八話「予想できない遭遇」

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地下次元『リンボ』に訪れたローナ一行。
そこは想像していた暗黒の世界とは違う、活気に溢れた世界であった。
どうやらここの宝珠は城に住む王族が管理しているらしく、その姫は地上界から来た人物を優先して謁見させているという話もある。
ということで、3人は街を散策して謁見の時間を待つことにした。
しかしこの街の中、人だかりも多く、空は真っ暗で灯はあれど薄暗い。
そんなこんなで土地勘のない街を歩いていたら、どうやらローナは2人とはぐれてしまい迷子になっていた。

「あれ?二人とはぐれちゃった…?ここどこだろう…?」

いつの間にか路地裏のような場所で一人になっていたローナ。
通ってきた道を戻ろうにも空が真っ暗、灯も無くて方向がわからない。
神通力で懐中電灯のように灯を灯す程度なら容易いが、やはり土地勘が無く見たことない風景に惑わされてどう動けばいいかわからず、とりあえず大通りになんとか出れないかと道を探っていた。

そこから予想だにしない人物と出会う。

「あれぇ?ローナさんじゃないですかぁ。こんなところでどうしたんですかぁ?」

振り向いた先に立っていたのは

ココロであった。
彼女はイルミナの騎士団所属の騎士見習いでありクララの後輩であり、同時にアイドル活動などもしている。
現在騎士団では最も将来有望とされる実力の持ち主とされている。

しかし彼女が何故こんなところに…?

「えっと…ココロちゃん?久しぶりだけど…あなたはなんでこの次元に?」
「あっ、実はここで公演があってさっき終わって撤収を済ませたところなんですけどぉ、街を歩いてたらローナさんの姿が見えましてぇ…あれ?先輩は一緒じゃないんですかぁ?」
「うん、実はね…」

ことのあらましをココロに話した。

「ふぅん…そうでしたか~…鈍くさい…」
「ん?何か言った?」
「何も言ってないですよ?ところでローナさん…ちょっとおヘソ…見せてもらっていいですかぁ?」
「ええっ!?おヘソ!?!?!?」

急にわけのわからない話を振られて混乱するが、ココロの強力な視線に身体が自由に動かず、なすすべもなく壁に詰められて言うがままになっていた。

(えっ…?この…?何…私…何してるの…?)

自分ではやろうとしていないのに、ココロの視線の力でセーラー服の裾をたくし上げて臍を見せつけるローナ。
ココロはローナを見つめながら、指で臍の周りをなぞりはじめた。

「ふ~ん…キレイなお腹…」
(ちょ…ちょっと!?何言ってるのこの子!?!?)

叫びたいが、これもココロの魔力なのか声が出せない。一体自分が何をされてるのかわからないままである。

「先輩に…迷惑かけちゃダメですよぉ~?」
(んッ!!!!!!!!!!!!!)

ココロの声は柔らかかったが、その声の奥に潜む「何か」を感じた。
その瞬間ココロの発していた謎の力が解けたのか、ローナは膝から崩れ落ちる。

「フフフ…こうやって二人っきりで話したかったんですよ~!じゃあローナさん、私はこれで失礼します~!」

夢か幻か、一体何が起きたのかわからなかった。さっきのは一体なんだったのだろうか?さっきのココロちゃんは本当にココロちゃんだったのか?朦朧とする意識の中、遠くから声が聞こえてきた。

「ローナ?ローナ!?どこにいるのー!?」
「ローナさぁーん!返事をしてくださーい!!」

聞きなれた声が聞こえてきてふと我に返る。
脚はまだ少し震えてるが、なんとか立てる。二人にここにいることを伝えなきゃ…!!

「二人ともー!こっちこっちー!!」

こちらの声に気付いたのか二人がローナのところに向かってきた。

「ローナさん!急にいなくなっちゃって心配したんですよ?」
「大丈夫?何かあった?」

さっきあったことを話そうかなと思ったけど、自分でも何が起こったのかよくわからないから黙っていることにした。

「ごめんね二人とも…ちょっと道に迷ったから心配しないで!」

強がっている。

「心配いらなそうね!じゃあそろそろ謁見の時間が始まるから行きましょ!!」
「うん!」
「はい!」

…結局、さっきのは一体なんだったのだろうか?今思えばはぐれたことそのものに何か不思議な力がかかっていたのかもしれない。
とにかくさっきのことは心にしまっておき、謁見するべく城へ向かうのだった・

~つづく~