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【脳内創作】ローナ~銀陽の少女~ 第二十六話「地下次元」

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火口近くの溶岩が沸き上がる洞窟、そこの浮島にあった神殿。
人間が入ったら生きてこれないような灼熱のマグマであったが、ローナとクララとナタリー、3人の力を合わせて見事道を切り開き、祀られている宝珠の下に辿り着いた。

ヴォルカノンの宝珠はローナとナタリーの持っている紅い宝珠より更に朱く、煮えたぎる溶岩のような熱を放っていた。

「あまり近づいたら火傷してしまいそうね…二人とも、気を付けてね!」
クララの声掛けに従い、そっと手持ちの宝珠を差し出すローナとナタリー。
今回もまた、宝珠の力が共鳴して3人に次なる目的地を示している。

「…ここは…地下?」
「太陽の光が無い…?薄暗い場所だったわね」
クララはイルミナの騎士という立場上、エリシオンの他の次元もある程度の知識もある。しかし暗闇の世界については聞いたこともないという。

「考えてても仕方ない、イグナスさんなら何か知ってるかもしれないし聞いてみましょう。」

 

「暗闇に閉ざされ、薄暗い光だけが揺らめく世界…か…」
「そうなんです、何か知りませんか?」

ローナがイグナスに尋ねると、彼は少し考えるかのように目を閉じた。そして少しすると目を開き、ローナ達に語りかける。

「吾輩も実際に目の当たりにしたわけではないが、この次元の地下の世界にまた別の次元が繋がっているという話を聞いたことがあってな。そこはいわゆる【魔族】の次元と言われておる」
「ということはまさか…!?」
「そのまさかであろう、お主の母君はそこに行ったということとなる」

ローナは驚いていた。どのタイミングかはわからないが、行方不明だった母親が絶対に見つからないような場所に居たということ。
そして、母親が行けたのなら我々にも行く方法があるのではないか?ということだ。

「イグナスさん、この次元の『下』にあることは間違いないんですね!?」
「ああ。それは吾輩の一族やサラマット族の村にも資料が残っている」
「詳しい行き方等はご存じないでしょうか?」
「わかった、知ってることは全て伝えよう」

こうして、次なる「地下次元」に目的地を定めたローナ一行。
イグナス王からある程度の情報とポータル座標は教えてもらったが、やはり一度サラマット族の村に戻って情報をかき集めるため、火山の神殿を後にした。

「地下次元はどんな脅威が待っているかわからない。が、神殿の試練を乗り越えたお主らの力と絆があれば、どんな脅威でも乗り越えられるであろう。この火山の上から無事を祈っておるぞ!」

荘厳なる火竜の王は、3人の出発を見届けた。が、後ろに納得がいっていない存在が一人。

「アタシは…アタシは…あんなヤツら認めないヨッ!!」
火竜の娘、シアラがローナ一行を背後から襲おうと飛び掛かる。

「シアラ…よせっ!やめろ!!」
イグナスを静止すらも振り切ったが…!!

「ヒイッ!!!!!!!!」

シアラはローナの真後ろにまで迫ったが、何かに怯えるような悲鳴を上げて止まった。
静かにローナは振り向き、少し険しい顔でシアラを見る。

「まだ邪魔をするなら…私だって容赦はしない!」
穏やかではあるが、強力な闘気を放っていた。灼熱の宝珠と共鳴させたからであろうか、ローナの神通力は以前に増して「熱」の量が増加していた。
クララとナタリーも、また武具をしっかり握り構えていた。

「下がれシアラ、もうその3人は…お前が敵う相手ではない…!!」
「お…覚えてなさいヨッ!!!!!!」

シアラは捨て台詞を吐いて、洞窟の奥側に逃げていった。

-つづく-