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【脳内創作】ローナ~銀陽の少女~ 第二十二話「火竜の娘」

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サラマット族から祝福のお守りを受け取り、火山の更に上にある神殿を目指すローナ一行。
行方知れずの母と故郷のために旅をするローナ、そしてローナを信じて旅に同行するクララとナタリーの二人。どんな過酷な道筋でも三人の少女は脚を止めず進み続ける。

3人は今、更に火口に近い危険な地帯に訪れていた。
ツクサで氷の魔晶石を購入して暑さを凌いでいたのだが、それでもかなり暑い。
神殿までの地図も貰っているものの、地面の状態が悪い上に風景の変化も乏しく、3人はかなり疲弊してきた様子。

「ねえローナ、そろそろ休憩にしない?」
2時間ほど山を登ったところでクララが提案する。ローナとクララはともかく、ナタリーが息を切らしており、膝も震えていた。
ナタリーの法衣ドレスは一見厚着だが聖なる護法により暑さ寒さは通りにくい仕様となっている。一方でブーツは山道に適しているとは言えず、本格的な鍛え方をしていないナタリーにとって非常に険しい道なりなのである。

「すいません…私のせいで…」
膝に手を当てて息を切らすナタリーであるが、ローナとクララが駆け寄る。

「無理しないで、この辺で休憩しましょう。」
ローナとクララが荷物を広げてキャンプの準備を始める。ナタリーは座って休ませてもらうことに。

と、その時だったッ!!

「こんなところにニンゲンが来るなんて珍しいね…アハハハハハハ!!!!」

空から何かが叫びつつ飛んできた。
その姿は紛れもなく「ヒト」であったのだが、大きな翼と鋭い爪、硬い鱗を持った「竜」ともいえる姿であった。
こちらの姿を捉えたか、いきなり雷撃を飛ばしてきた!!

「ッッッ!!!!!」
クララが走って前に跳び、盾を構えて雷撃を防いだ。その竜のような姿をした少女はそのままクララに襲い掛かってきた。

「アッハハハハハハ!なかなかやるじゃなァい!!」
「ちょっと!いきなり襲い掛かってきてなんなのよあなた!!」
爪と足技の素早いコンビネーション、クララは騎士団流の剣と盾の技で受け流していく。

「クララ!」「クララさん!!」
ローナとナタリーも疲れてるなんて言うわけにはいかずに武器を構えた。

「フゥ~ン1対3?アタシはいいけど?」
「いいから話を聞きなさい!私達はこの先の神殿に用があるのであって、あなたとケンカしている場合じゃないのよ!!」

いきなり襲い掛かられたからか、さすがにクララも激怒する。

「なるほどねェ~ん、でもねェワタシもすっごい暇してたの!アンタたちを食べてあげるヨ!!!」

やはり聞く耳も持たずに襲い掛かってきた。

「あ~もうなんなのよ!こんなのやるしかないじゃない!!」
「クララさん、私も戦います!あの人…普通じゃない!!」
「行こうクララ!私達は…こんなところで止まるわけにはいかない!!」

3人と謎の竜の少女との戦いが、今始まろうとしていた!!

-つづく-