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【創作】ローナ~銀陽の少女~ 第三十三話「再会、そして」

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荒廃したイズモに帰還し、宝珠の共鳴が最も強い場所を見つけ出したローナ一行。
封じられていた岩を斬り割き、洞窟の奥へと進んでいく。そこには想像もしない光景が広がっていた…。

「お…お母さん…!!」

そこに居たのはイズモの女王にして、ローナの母であるアマテラス。
ローナと同じ綺麗な銀色の髪に、装束を着た姿で、巨大な半透明の宝珠の中に自らを封じていたのだった。

(ローナ…クララ…ナタリーよくここまでたどり着いてくれましたね…!)

直接心に語り掛ける。洞窟内には強烈な神通力が迸っており、尚且つ生命の鼓動も強く感じる。どうやら宝珠に封じ込められつつも生きている。

(私はこの10年間、イズモが荒廃した日から次元を廻る旅をし、2年前にここに戻ってきました…オロチの封印を守るため…)
「!?それってまさか…!」
(そうです。ローナ、貴方の持つその宝珠…それはオロチの封印を強める力があります。私が封印を守っている間に各次元に託した色違いの宝珠と共鳴させることにより宝珠の力を強くしてもらう…それこそが私が貴方に託した願いでしたが、見事完遂して戻ってきてくれました…ありがとうローナ…)
「うん…でもね…そんなことはどうでもいいの…お母さん…逢いたかったよぉ…」

再会に感極まり、大粒の涙を零すローナ。クララとナタリーは静かにローナに近寄り肩を抱く。

(クララ、ナタリー…貴方達も…娘をありがとうございました。)
「はい、騎士としての務め、果たさせていただきました!」
「でもどうして…私達の名前を?」
(貴方達の旅を宝珠越しに見守らせていただきました…また、貴方達は昔に私と直接会っているのですよ)
「昔に…?」

4人が再会に感動しているとき、洞窟の入り口を見張っていたウミヒコが何かに気付く。
「なんだ?この…違和感というか…邪気を感じる…!!」
「フフフ…見つけましたよアマテラス…こんなところに居たとは…」
「モウニゲラレンゾ…」

そこに居たのは何度もローナ達の前に現れた男、カラス。そして先日エリシオンで暴れていた影の魔物、タクロスであった。

「!!あんたたち…どうしてここが…!!」
クララがすぐに立ちあがり剣を構える、ローナとナタリーとウミヒコもすぐさま戦闘態勢に。

「それだけの宝珠の力、気付けないという方がおかしいというものです。エリシオンでの戦闘の後からずっとつけさせていただきましたよ…」
「オロチサマフッカツノタメ…キサマラヲココデシマツスル…」

(オロチの復活…なるほど、貴方達が「オロチの使徒」と呼ばれた者たちでしたか)

オロチはかつて、イズモに厄災を齎し他次元との統合を目論んだ大いなる存在。その姿は巨大な龍の姿と言える。
50年前、アマテラスとその弟でありローナの叔父であり師のスサノオがこのイズモの地に封じ込めたという歴史がある。
一方でその大いなる力に虜にされた狂信者も存在しており、俗にいう「オロチの使徒」と呼ばれた存在である。このカラスはかつてのイズモ人であったが親オロチ派閥・アマテラスの絶対王政に対する反発を起こしていたという過去がある。
だがしかし、10年前イズモに起きた厄災には、完全に封印されていたオロチは全く関わってないのであるが、その厄災にてオロチの封印が弱まったということである。

「オロチ様を復活させるため、今度こそ貴方達を始末します。そしてその最後の「鱗」を回収させていただきますよ…!」
「ニゲラレルト…オモウナヨ…!」

「せっかくお母さんとこうして再会できたのだから…私達はあなたたちなんかに負けない!オロチなんて復活させない!!」
「その通りよ!あんたたちの思い通りにはさせないわ!!」
「去りなさい!このイズモは…邪悪なる者が来る場所ではありません!!」
「そうだそうだ!オラたちの国から…出ていけェ!!」

(ローナ…そして仲間たち…イズモを…任せますよ…!)

こうして、ローナ達とオロチの使徒との最後の戦いが始まった。

-つづく-