前の話
キャラ紹介
創作物の取り扱いについて
アルトランドで思わぬ敵と遭遇するも、仲間との再会もあり撃退を成功したローナ一行。
ローナ、クララ、ナタリー、そして修行の旅から戻って一回りも二回りも強くなったウミヒコを加えてギルバートに報告した後、休む間もなくイズモへと向かった。
「ローナ、今入っている情報ではイズモはまだ汚染が取り切れていないらしい。何があるかわからないから気を付けてくれ。」
「それと、騎士団も君達の活躍には助けられた。これも何かの縁だ、ここの問題を解決したらすぐ我々もイズモへ向かおう。」
「はい、ありがとうございます!!」
ギルバート団長から二言頂き、ローナ達4人はイズモへ走る。森を抜けて、かつて抜けてきたゲートを逆戻り…旅の始まりであるはぐれ次元を経由して、かつての故郷へと再び足を踏み入れた。
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ゲートを抜け、イズモに辿り着いたローナ一行。
ローナがここに足を踏み入れるのはかれこれ11年、大地は荒れ果て、建物は崩れ去り、かつて子供の頃に見たあの光景は別世界となっていた。
ゲートから少し歩いた先、大きな男性の後ろ姿が見えた。
「おう、来たか」
「叔父さん、お久しぶりです。」
そこに居たのは師、スサノヲの姿であった。
彼はローナが旅立った後、散り散りになったイズモの民を集めて浄化を進め、なんとか人が入れる程度には落ち着かせたという。
「イルミナの将軍からは聞いておったが…いい顔つきになったな、ローナ」
あのはぐれ次元から飛び出して、かれこれ半年は経った。
あれから自分は成長できたのだろうか…そんな感傷に浸る中、ローナとナタリーの持つ宝珠が強い共鳴を始めた。
「ローナさん!?一体これは…」
「うん…もしかしたら…もしかするのかもしれない…!!」
今迄とは比較にならないほどの強い共鳴、もしやと思いスサノオに尋ねる。
「そういうことじゃ…大体汚染は取り除いてあるから歩き回っても構わん、お前自身の目で確かめてこい!」
「叔父さん…ありがとうございます!!」
3人は共鳴する力の源の場所へ走る。
「おお~いオイラを置いてかないでくれよ~」
後ろからドスドスと大きな音を立てて、ウミヒコが走ってくる。一緒に来ていたはずなのだが、いつだかはぐれてしまっていたようだ。
「いや~ごめんごめん、オイラが住んでた海沿いの方にも行ってみたんだけどな…そこはなんとか汚染の被害が少なかったのか、建物の倒壊は少なかったよ。それよりも…女王様の痕跡を探そう!オイラも手伝うよ!!」
やはりウミヒコは変わっていた。アルトランドで別れてから彼はアンタークを渡り、そこから様々な国を短期間で回ってきたという話だ。
ウミヒコの冒険の話はまた、追々。
「!!ローナさん…これは…!?」
「宝珠が…響いているの…!?」
調査を始めて数時間、ローナとナタリーの持つ宝珠が突如非常に強い共鳴を放つ。それまでにない熱と振動を放っている。
二人が宝珠を取り出すと、光を差して一点の場所に向かっている。その光に導かれてローナ、クララ、ナタリー、ウミヒコの4人は走り出す。辿り着いたその先には大きな岩に塞がれている洞窟が見えてきた。
「もしかして…この奥にお母さんが…!?」
「う~ん…でもこの岩どうすんだ…オイラの力でもびくともしないぞ…」
「触った感じ、何やら凄い力で封印されているわね。物理的な力での破壊は無理だけど…」
「もしかしたら…もしかするかも…!!」
「へ?」
クララとナタリーがローナを見て小さく頷き、手を握り締める。ウミヒコはいまいち状況が飲み込めてない。
「ここにお母さんがいてくれるなら、私達がここにいることにも気づいてくれるはず…!二人とも!宝珠の力をこの七支刀に!!!」
「ええ!」「はい!!」「?????」
ローナが七支刀を天に構え、クララとナタリーも宝珠を持って天を仰ぐ。
ウミヒコもやっと状況を理解したようだ。
「なるほどわかった!ローナ、オイラの神通力も使ってくれ!!」
七支刀が4人と宝珠の力を受け取ったのか、眩い輝きを放つ。光は収束し、巨大な光の刃を形成し始める。
「この一発で…道を拓くッ!!!!」
光の刃を纏った七支刀を岩に振り下ろし、一刀両断。巨大な岩は真っ二つになり、洞窟の入り口が見えてきた。
宝珠の共鳴は弱くなるどころか更に強くなる。この先に何かがあることがわかる。
4人はおそるおそる、洞窟の奥へと足を入れる。
それから、どれだけの時が経ったであろうか。洞窟の奥へとたどり着いた。
そこにあったものとは…
「お…お母さん!!!!!!!!」
-つづく-