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【創作】ローナ~銀陽の少女~ 第三十二話「真実の在り処」

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長き旅を終え、各種次元の宝珠の力を集め故郷イズモへ戻ってきたローナ一行。
そこは、かつて栄えた美しい風景は無く、荒れ果てた荒野が続く不毛の大地だった。
宝珠の共鳴を追い、幼少期を過ごした宮殿の場所に辿り着く。当時の見る影もなく崩れ去った宮殿の跡地しかなかった…。

「おお~いオイラを置いてかないでくれよ~」

後ろからドスドスと大きな音を立てて、ウミヒコが走ってくる。一緒に来ていたはずなのだが、いつだかはぐれてしまっていたようだ。

「いや~ごめんごめん、オイラが住んでた海沿いの方にも行ってみたんだけどな…そこはなんとか汚染の被害が少なかったのか、建物の倒壊は少なかったよ。それよりも…女王様の痕跡を探そう!オイラも手伝うよ!!」

やはりウミヒコは変わっていた。アルトランドで別れてから彼はアンタークを渡り、そこから様々な国を短期間で回ってきたという話だ。
ウミヒコの冒険の話はまた、追々。

「!!ローナさん…これは…!?」
「宝珠が…響いているの…!?」
調査を始めて数時間、ローナとナタリーの持つ宝珠が突如非常に強い共鳴を放つ。それまでにない熱と振動を放っている。
二人が宝珠を取り出すと、光を差して一点の場所に向かっている。その光に導かれてローナ、クララ、ナタリー、ウミヒコの4人は走り出す。辿り着いたその先には大きな岩に塞がれている洞窟が見えてきた。

「もしかして…この奥にお母さんが…!?」
「う~ん…でもこの岩どうすんだ…オイラの力でもびくともしないぞ…」
「触った感じ、何やら凄い力で封印されているわね。物理的な力での破壊は無理だけど…」
「もしかしたら…もしかするかも…!!」
「へ?」

クララとナタリーがローナを見て小さく頷き、手を握り締める。ウミヒコはいまいち状況が飲み込めてない。

「ここにお母さんがいてくれるなら、私達がここにいることにも気づいてくれるはず…!二人とも!宝珠の力をこの七支刀に!!!」
「ええ!」「はい!!」「?????」

ローナが七支刀を天に構え、クララとナタリーも宝珠を持って天を仰ぐ。
ウミヒコもやっと状況を理解したようだ。

「なるほどわかった!ローナ、オイラの神通力も使ってくれ!!」

七支刀が4人と宝珠の力を受け取ったのか、眩い輝きを放つ。光は収束し、巨大な光の刃を形成し始める。
「この一発で…道を拓くッ!!!!」

光の刃を纏った七支刀を岩に振り下ろし、一刀両断。巨大な岩は真っ二つになり、洞窟の入り口が見えてきた。
宝珠の共鳴は弱くなるどころか更に強くなる。この先に何かがあることがわかる。
4人はおそるおそる、洞窟の奥へと足を入れる。

それから、どれだけの時が経ったであろうか。洞窟の奥へとたどり着いた。
そこにあったものとは…

「お…お母さん!!!!!!!!」

つづく