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【創作】ローナ~銀陽の少女~ 第二十話「聖域」

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前の話

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キャラクター紹介

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「ゔぇぇああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

浄化の力を秘めたラシノスの矢が魔戒才蔵の核に直撃、身体はドロドロと崩れ落ち消滅した。

「…向こうはどうやら片付いたようだぜ。」
カラスと交戦していたレイズが呟く。

「おのれ!どこまで私を邪魔すれば気が済むのだ!!」
それまで冷静だったカラスが怒りを露にする。

「少し待ってりゃここにローナ達が来る、そうしたらお前5対1だぞ。」
「くっ…」
「今引くってのなら見逃してやろう。」
「まあいいでしょう…今回は魔戒才蔵を破られた私の負けです。しかしローナさんにこう伝えておきなさい。必ず【鱗】と貴方の命を奪うということを…!!」

捨て台詞を吐くとカラスは煙と共に消えていった。

 

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「あ~~~~怖かった~~~~!!!」

ナタリーが珍しい声を上げながら膝から崩れ落ちた。ここまで気力だけで立っていたのだろうか、恐怖からの解放感と疲労感が同時にどっしり来たようだ。

「今回はなんとかなったけど…次同じようなのが来たら勝てるかわからないわね…」
「うん…でも今回はナタリーのおかげだね!」
ローナとクララがナタリーに手を差し伸べる。

「なるほど…君達が決して悪者ではないということははっきりわかった。森の聖域の宝珠が見たいのだろう?」
「はい。でもいいのでしょうか?」
「本当は禁じられているのだが今ので君達が言っていた事態が少しだけ見えた気がする。だから…私にも協力させてほしい。」

ここまで険しい表情だったラシノスが微笑んで話を持ち掛けてきた。

「では案内しよう、長には私から適当に言っておく。」
「やったぁ!ありがとうございます!!」

満面の笑みで礼を言うローナ達三人。

「それと…貴方もだレイズ、礼を言うよ。」
「レイズさん!?!?」

「こっそり立ち去ろうとしたがそうはいかないか…久しぶりだなローナ、クララ…でもってラシノス」

どういうことかラシノスとレイズは知り合いらしい。なおナタリーはレイズのことは知らないのである。

「あの…すいませんクララさん…あの人狼の方は…?」
「そういえばナタリーは初めてだったわね…彼はレイズさん、傭兵よ。前に私とローナと一緒にゴブリン退治を任されたことがあって…」

「ちょこっと通りかかったら懐かしい顔が見えたんでな…でもってお前さんは未だに言い伝えを守って籠ってるというのか」
「そういう言い方はないだろう?」
「まあいい、俺はそろそろずらかるぜ。じゃあな。」

そういうとレイズも森の中に消えていった。

「ラシノスさんとレイズさんって知り合いだったんだ…」
「ああ、奴もここの近くの森出身でね。大人になってすぐ森を飛び出ていったんだっけな…君達こそ知り合いみたいじゃないか」
「はい、前にも助けていただきまして」

ローナが説明する。

そんなこんなもあって、エルフの里に顔を出して一行は森の聖域に向かった。
古い神殿に宝珠が祀られていた。色は草木のような深い緑色、今までの宝珠より最も力が強い。

「ここは草木の力が強いからなのか、宝珠の力で自然が守られているのかはわからない。とにかく宝珠の力は君たちの力にもなってくれるはずだよ。」
ラシノスがいうと、ローナとナタリーの宝珠を近づけ、3人で手を伸ばした。

「そうだ!せっかくだからラシノスさんも一緒に!!」
「私か?ならばご一緒に…」

3つの宝珠が光り輝き、4人にビジョンを見せつけた。

「ここは…火山…?」
「すごい轟音ね…すごい暑そう…」
「空に飛んでいるのは…ドラゴン…!?!?」

「今見えたのは多分『ヴォルカノン』だな。『スカイウッド』からは地繋ぎでいけるが…どうする?」
「当然、行きます!それしか手がかりがないのなら…!!」
「行くしかない!よね!!」
「私もお供します!!」

ラシノスの問いに3人が返事をする。

「やれやれ…君たちはすごいな…私はここから離れられないからな。検討を祈るよ」
「ありがとうございます!!」

ローナ達3人は美しき森の守護者に別れを告げ、次の次元に旅立った。

-つづく-