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【脳内創作】ローナ~銀陽の少女~ 第七話「アルトランド」

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前回のあらすじ

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キャラクター紹介

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 過去に母・アマテラスから赤い宝珠を託されていた神官の少女ナタリーとの出会い、そして共鳴した宝珠がローナとナタリーに見せたのは一面の氷の風景。確証があったわけではないのだが、エリシオン南に位置する魔法国家・アルトランドへ向かっていた。

「二人が見たっていう氷の大地、エリシオンから南に位置する次元『アンターク』だと思うの。最近調査が始まったばかりで未開の地のはずなんだけど…。」

クララの情報によれば、アンタークはアルトランド調査団により発見され、現在詳しい調査の真っ最中との事。うまく交渉して調査団に加えてもらうことはできないだろうか?ということだ。

「そうだね、宝珠が見せてくれたのだからきっと何か手がかりがあるかもしれない。二人とも、一緒に来てくれる?」

手を出し二人に尋ねるローナ。

「もちろん!」
「はい、よろしくお願いします!」

クララとナタリーは笑顔で応える。3人の気持ちは一緒だった。

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~魔法国家アルトランド~

エリシオンの大陸南側、沿岸部にある女王レジーナを中心とした小国。
「晶石」から解明された魔法の研究から、漁業が主な特産となっており、イルミナとまた違った賑わい方をしている。
クララは何度か女王に謁見しているとのことで、今回の事情を説明して調査団への特別参加をさせてもらうことになった。

「クララよ、久しぶりですね。貴方が騎士団の任務ではなく直接来るなんて何か大切な事情でもあるのでしょう、話してみてごらんなさい。」

女王レジーナはローナとナタリーが想像していた以上に若い女性でおそらく年齢は20代後半といったところ。その若さに見合わない気品と落ち着きのある美しい女王であった。
クララは2人の紹介と宝珠の話と調査団に加えてもらう話を女王に持ち掛けた。

「話はわかりました、では明後日の出航に合流していただきます。滞在期間は2日間、アンタークは非常に寒い地域なので防寒着を忘れずに。あとこれをお渡ししておきましょう。」

「これは?」

「アルトランド国立水族館のチケットです。明日は一日準備期間として、3人で是非行ってらっしゃい。」

「「「ありがとうございます、女王様!」」」

「是非このアルトランドを楽しんでくださいね。」

女王からの計らいもあり、3人はしばし旅のことを忘れ観光を楽しむことにした。

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次の日の朝、海辺に近い宿を借りた3人は早速水族館へ向かった。
ローナもクララもナタリーもあまり海になじみが無く、水族館には生まれて初めて来る施設であった。

サカナや海洋種、数多の水棲生物に癒されながらも命を学ぶにはもってこいの施設であり、中にはアンタークの海に住んでいる生物についてもいくつか展示されていた。
きっと女王はアンターク調査に役立つ学習としてもチケットを渡したのだろう、そう考えるクララであった。

そして昼前、大きなプールでのショーを見終わってからローナは語り始めた。

「私の幼馴染なんだけどね、クジラの形に近い大きい種族のコがいたの。ウミヒコっていうんだけど、大きい身体して力持ちなのに引っ込み事案で泣き虫で…私が居ないとなんにもできなかったな」

ローナ曰く「手足の生えた、丸っこい鯨のような生き物」だったウミヒコ。そんなのいたら化け物だろ!って思うかもしれないが、イズモには多種多様の神に近い種族が点在したので、変わった種族が居たとしてもおかしくはないのだ。

そして水族館から出た3人は近くのショッピングモールでアンターク調査用の防寒着であるコートと保温の晶石を買ったら少し観光を楽しんだ後に宿に戻って準備を始めた。

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出発の朝、船着き場で調査団長と顔合わせ。今回はローナ達含め9人での調査となった。

「アンタークの気温はこことは比べ物にならないくらい寒く、我々が調査した段階ではいまだに氷の塊しか発見されていない。調査員は必ず迷子にならないよう、3人1組のチームで動くように!それでは出航!!」

船が動き出し、未知なる氷の大地への冒険が始まった。

大丈夫!3人ならどんな場所でだって、やり遂げてみせる!!

 

 

-つづく-