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【脳内創作】ローナ~銀陽の少女~ 第一話「旅立ち」

これは地球に似てるけどどこか違う別の世界の話。
その世界では「次元」といった形で区切られており、「人間」だけでなく「亜人」「神」が当たり前のように暮している、そんな世界。
これは、この世界の次元を旅をした1人の少女の物語である!!

 

神次元「イズモ」。
ここはかつては太陽神アマテラスによって統治されていた平和な次元だったが、突如謎の外敵によりその生活は一変してしまった。
住民は命からがら他の次元に逃げたものの、女王アマテラスの姿はどこにも見えず、行方不明となっていた。

アマテラスの娘であり神と人間のハーフ「ローナ」は叔父のスサノオに助けられ、イズモの端を切り離したはぐれ次元へと隠れるように住むこととなった。

少女ローナ、この時6歳であった。

 

それから10年、ローナ16歳。叔父スサノオの師事を受け勉学・修行に励んでいた毎日だった。
スサノオが結成したイズモ調査団による調査は進んでいたが、未だアマテラスの居場所は分からないままであった。
命を落としたのでは…?と噂をする調査員も居たが、ローナは自らに流れる神の血に母の鼓動を感じていた。母はまだどこかで生きている、と。

ある日調査員から知らせが入る。「人間次元エリシオンの地でアマテラスの姿を見た」と。
エリシオンは人間が主となり構成されている次元で、空間面積もイズモの数倍はある大きい次元。
広大なエリシオンでは調査も難航しており、いつ発見できるのかはわからない…調査団員はほぼ諦めていたが、ローナが黙っていなかった。

 

「おじさん…私、エリシオンに行く!」

 

スサノオは姪の突然の発言に呆気を取られた。
神の血を引き、神通力も強いとはいえまだ16歳の少女に旅は危険なのではないのか?
だが、ローナの目に迷いはない。覚悟の準備はできている。

 

「…どんな危険があるかわからん。それでも行くか?」

「おじさんに修行を積んでもらったんだからきっと大丈夫!お母さんを捜しに行きます!」

 

その強い意志にもはや止める意味など何もない。小さく頷いたスサノオは準備を進めることにした。
奥から持ってきた小さな箱には、かつてアマテラスが次元を旅した時にもらったセーラー服と白いブーツが入っていた。

 

 

そして出発の朝、ローナはセーラー服とブーツを着こなして準備万端。
スサノオからは彼女のために打たれた七支刀を、叔母からは手作りのマントをもらい、次元間を繋ぐゲートの前に立った。

 

行こう。母に、もう一度会うために。

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ーつづくー